逃走した受刑者が空き家に潜伏、捜査難航
2018年に愛媛県今治市の刑務所施設から受刑者が逃走した事件がありました。
愛媛県警約600人、広島県警約300人が投入され、2週間以上にわたり大がかりな捜索活動が続けられました。
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なぜこの事件を取り上げたかというと、捜査が難航した背景に空き家が多かったことが指摘されているからです。
舞台となった広島県尾道市向島は平成27年度の調査時点で1000軒を超す空き家がありました。逃走犯が隠れるには好都合だったわけです。
空き家の捜索には立会人が必要で警察も手間取り、空き家の捜索は大半が外からの目視にとどまったようです。実際、向島で逃走犯が潜んだ家は、その間少なくとも2回、捜査員らのチェックを受けたにもかかわらず、発見には至りませんでした。
島の住民は逃走犯が捕まるまで、不安な日々を過ごすこととなりました。
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今回の事件で、建物の損壊、悪臭などとは異なる別の「空き家リスク」が浮き彫りになりました。特に問題なのは空き家の権利関係ではないでしょうか。緊急時にも対応できる法体制の整備が求められます。